過つは彼の性、許すは我の心 弐



『…俺らはちゃあんと遊びに来たつもりだが?』

『その格好でか?』


 想像の中で8割ぐらい天ヶ衣さんをボッコボコにしていたら、話が進んでいた。

 と言うか、ドーベルマンが誰もが触れない事を触れていた。


『なんや。ここはどんな性癖でも受け入れてくれる楽園って聞いたで』

『どんな性癖だ』


 ドーベルマンの気持ちも分からないでもないと心の中で言っておく。


『この格好でヤる方が燃えるんや』


 そう嘯く渚君に、


『そんな訳あるか!その格好、』


 遂にドーベルマンの人が声を荒げる。


『ーーー何故ナマハゲなんだ!?』


 そして、誰もが触れなかった事を指摘した。


『世の中にようさん色んな人間がおるんやで、なあ?』

『ねえー』


 ナマハゲの赤と青に扮装した渚君と夏波ちゃんがねーと言い合っているけれど、私も変装するならもっと違うのあったと思った。(それ言うとカールさんも、何でそんな物持っているのって話にもなるんだけれどね)


『た、確かにこの場所は楽園だが見た事ない!』

『こんな所いるから知れへんのやろう。世界はもっと広いねん』

『黙れ!』


 完全に渚君のペースに呑まれているなあの人。


『子供に手ぇ出す連中よりは100倍マシやろ』


 それもそう。

 どんな性癖でも他人に迷惑を掛けなければ全然いいと思う。


『おい乗せられるな』

『しかし…!』