そう言えばさっきカールさんの耳を貫通させていたっけ。
渚君の心配ももっとも。
一瞬の考えを吹き飛ばす様なギュッを。
脳が状況を理解出来ない。
「え、あ」
ーーー惣倉君に抱き締められた。
渚君より全然小さいのに、身体付きが鋼の様にガッシリしているのを、服越しでも感じる。
「つ、惣倉く、ん?」
男の子だと言う事を嫌でも意識させられて、スーパーどもる私。
力強く、ギリギリと抱き締められてドキリと胸が高鳴った。
私の首辺りに顔を近づけて、スリスリと動く。
「ーー先輩言ったでしょう」
惣倉君の柔らかで、包み込む様な声が耳朶に響き、身体が違う意味で総毛立つ。
「言ったでし、ょう?」
繰り返すオウムな私を、クスリと笑う。
その笑みは馬鹿にする様なものではなく、仕方ないなと言う感じで、
「好きなモノにスリスリするって」
「…スリスリ?」
数分前に自分で言った事を忘れる私に、惣倉君は聞き逃しを許さないと言わんばかりに、私の耳元に自身の唇を近付けた。
吐息が私の耳を侵食する。
心臓は最高潮にドクドクと音を立て、私の身体から飛び出そうと躍起になる。落ち着け私の心臓!頼むからマジ勘弁!
硬直した私に、
「だからスリスリしてます、先輩が好きだから」
更なる追撃を下された。
「…っ!」



