過つは彼の性、許すは我の心 弐



 そう言えばさっきカールさんの耳を貫通させていたっけ。

 渚君の心配ももっとも。

 一瞬の考えを吹き飛ばす様なギュッを。

 脳が状況を理解出来ない。


「え、あ」


ーーー惣倉君に抱き締められた。 

 渚君より全然小さいのに、身体付きが鋼の様にガッシリしているのを、服越しでも感じる。 


「つ、惣倉く、ん?」


 男の子だと言う事を嫌でも意識させられて、スーパーどもる私。

 力強く、ギリギリと抱き締められてドキリと胸が高鳴った。

 私の首辺りに顔を近づけて、スリスリと動く。


「ーー先輩言ったでしょう」


 惣倉君の柔らかで、包み込む様な声が耳朶に響き、身体が違う意味で総毛立つ。


「言ったでし、ょう?」


 繰り返すオウムな私を、クスリと笑う。

 その笑みは馬鹿にする様なものではなく、仕方ないなと言う感じで、


「好きなモノにスリスリするって」

「…スリスリ?」


 数分前に自分で言った事を忘れる私に、惣倉君は聞き逃しを許さないと言わんばかりに、私の耳元に自身の唇を近付けた。

 吐息が私の耳を侵食する。 

 心臓は最高潮にドクドクと音を立て、私の身体から飛び出そうと躍起になる。落ち着け私の心臓!頼むからマジ勘弁!

 硬直した私に、


「だからスリスリしてます、先輩が好きだから」


 更なる追撃を下された。


「…っ!」