過つは彼の性、許すは我の心 弐



「天條先輩をしっかりしろ!って叩けば良い話ですよね」

「出来たら苦労ないんじゃないかな?」

「結構あの人隙だらけですよ」

「そうなの?」

「俺じゃなくても殺れますよあんなの」

「そ、そっか…」


 惣倉君の基準だから私には分かりかねない部分だ。


「と言うか、唐堂!惣倉影刀と何で仲良いんだよ!」

「え?」


 バッと後ろを振り向いた鉄将君は、険しい顔で惣倉君を見ている。


「何でって…」


 はてはてと首を傾げれていれば「武凱先輩、交流試合した時から妙に突っかかって来るんですよ」と面倒臭そうに惣倉君が答えてくれた。


「惣倉君のお家も鉄将君のお家みたいに武術を極める系なの?」

「…武凱程開けた家じゃないんですけれど、上の自己顕示欲の為だけに、時々交流試合みたいのやらされるんです」

「ほうほう」

「その時に俺が武凱先輩と試合して負けたんですよ」

「それから鉄将君に虐められているの?埜々ちゃんする?」

「そうですねえ…お願いした方がいいかもしれません」

「違う!虐めてない!」


 埜々ちゃんするは、埜々ちゃんに婚約者チェンジしてもらうって言う意味です。


「お前が態と…!」

「ああー何の事を言っているんだか」


 惣倉君は噛み付く鉄将君を遮る様に、両手で耳を塞いでいる。


 浅からぬ因縁があるって事かな?