○都内の編集部(昼前)

担当の編集者とアンソロの漫画の打ち合わせ。
美結「三船さん、アンソロの漫画の仕事を進めてくださりありがとうございます」
三船「ええ、それにしてもまさかやるとは思わなかったわ。スランプ気味でしょ?今」
美結「まあ、はい。打ち切りになったりありましたから……」
三船「そうよねぇ、まあ、今回はアンソロだから。気楽に描いてくれればいいわ。テーマはもう決まっているんだけど、あ、その件もメッセージの方に送ったのだけれど、見てくれたかしら?」
美結「あ、はい! みました。 テーマは身分差の恋愛でしたよね」
三船「そうよ〜、描けそう?」
美結「はい、描けると思います」
三船「それならよかったわ。じゃあ、来月の第1週目の土曜までに原稿送れるかしら?」
美結「はい、大丈夫です」
三船「ええ、じゃあ、それでお願いするわね。私はこの後、他の作家さんとの打ち合わせが入っているから失礼するわね」
美結「はい! お忙しい中、ありがとうございました」
三船「ええ、頑張ってちょうだい。原稿、楽しみに待っているわね」


担当編集者の三船千砂(女性)は打ち合わせの部屋から出て行く。美結も荷物をまとめて打ち合わせの部屋を後にした。


○電車の中(昼過ぎ)

美結「あ、朝陽くんから連絡きてる」

帰りの電車の中で美結は朝陽からメッセージがきていたことに気付く。
美結は朝陽からのメッセージ『漫画の方どう?』に返信する。

美結(アンソロの仕事を貰って。今日、打ち合わせだったよ〜っと)

美結は朝陽への返信を打ち終えて、送信する。

○大学の食堂(昼過ぎ)
一方の朝陽は美結からの返信を見て、嬉しそうに笑みをこぼす。同じ席で昼食を食べていた琉生と千隼はそんな朝陽を見て、茶化す。

琉生「朝陽、どうしたの? そんな嬉しそうな顔して」
千隼「もしかして、彼女か〜?」
琉生「え、お前、いつの間にできたんだよ!」
朝陽「彼女じゃないし。ちょっとな、嬉しいなって思うことがあったんだよ」

朝陽は琉生と千隼にそう言い笑う。