【サク読みAI小説】独白アイドル〜幕が降りたあとで〜【アイドル×少年×短編】

研修生グループの結成が発表された日、
麻布にある事務所の稽古場は大きくざわついた。

それは中学の卒業が近づくころだった。

俺はその中の一人として名を呼ばれ、
鏡張りの稽古場の真ん中に立たされ、痛いほどに視線がまとわりつく。

(あぁ…なるほどね)

だが、あとの四人の顔ぶれを見たとき、妙に納得したのを覚えている。

プロデューサーが溺愛してるイケメンくん。
子役出身の芸歴長い研修生、スタイル完璧な爽やかくん、
ホストみたいなナルシスト。
そして、全体のバランス取りみたいな感じで、この俺。
鏡越しに並んだ自分の姿は、そこに割り込むように見えた。

(なるほど、俺がバランサーね)

確かに、ルックスは突出していない。
でも、喋りもパフォーマンスも、いちばん目立てるのは絶対俺。

それに、家も、育ちも、学歴も、頭の回転も。
アイドルじゃなくても輝ける要素は誰よりもある。

中身でのしあがってきた自負というのは、なかなか気持ちよかった。

(結局、自分をどうプロデュースできるかなんだよな)
(その賢さがあるから、何をやっても成功するんだ、俺の人生は)

選ばれた5人だけが、その場に残され、
稽古場に響く音楽のなかで、並びを試される。

立ち位置のマークテープ、タイミングを合わせる手拍子。

それが、デビューに向けた第一歩だと誰もがわかっていた。
誰がどこで目立ち、どこで引くべきか。
全員が互いを計っているのが、空気に出ていた。

リハーサルの合間、スタジオの鏡に映る自分と目が合う。
少し笑った。