第二章
一、俺の未練は
…零歳からやり直すのは面倒だと思っていたが、そこまでではなかった親孝行をしていること以外は前世と一緒だろう。親孝行をしながら俺は瞬く間に中学一年生まで戻ってきた。意外といいもんだな。転生も。未練の心当たりは、パッと思いついたもので三個。しかし、瑞樹様は「たくさんありすぎてわからない」的なことを言っていた。まあ、気にしないでおこう。後から考えれば良いのだから。それより、俺がパッと思いついた三個だ。
一つ目は「親孝行」だと思った。なぜかって?簡単さ。超ド級親不孝人だったからだ。自分で認めてしまうほどにな。それは今までやってきたのだからクリアになるだろう。
二つ目だ。難関は。恐らく「好きな人に告白すること」だと思った。好きな人がいて、卒業式で告白しようとしていたのに卒業式の前日に殺されてしまったのだ。クソ。
三つ目。これも恐らく難関だ。「俺を殺した犯人を捕まえること」ではないだろうか。難易度も高い上に、何個あるのかわからないと言われてしまっている。とりあえず、告白から始めようかな。あと、探偵も探さなければ。なぜ探偵かだって?警察が俺の話を信じる訳がないからに決まっているだろう。探偵でも信じてくれるかわからないがな。
だが、今は三つしか思いついていない。あと沢山も考えなければ。沢山あると言っていたからな。
二、探偵との出会い
「なんでこういう、俺がいないと思っていた職業の人がいるかね〜」
「知らないよ。あと、探偵は実在するのにいないと思い込んでた君が悪いんじゃん」
「それは申し訳ない」
「で?用件は何?とっとと済ませて寝たいんだけど」
「寝る?」
「ああ。寝ても寝ても眠いからな」
「よくあるよなー」
こういう馬鹿げた話をしている相手こそが名探偵(自称)のソラ(ペンネーム)だった。俺は何故かうちの学校の不良どもにカツアゲされてて、俺は金持ってなかったからこの子が助けてくれたんだっけ。見た目的には中学生くらいか。年下だな。
「おい、お前…」
「ちょっと待て、お前ではなくソラと呼べ。せっかく名乗った意味がないではないか」
「ペンネームだが?」
「なんなら様付けしてくれてもいいんだぞ。僕は君を救ったからな」
「わかりました!ソラと呼ぶわ〜。それより俺にも嶺一っていう母さんにつけてもらった大切な名前があるんですけど!」
「…わーったよ。嶺一、話を戻そう」
「ああ、今俺もそう思ってたとこだ」
「用件はなんだ」
なんでソラが偉そうなんだよ!とツッコミたくなったがやめた。依頼する側だからな。
「かくかくしかじか、色々ありまして」
そうして俺は、死んだ前日のことや、死んだ日のこと、天国のことや、未練のこと、転生のことを話した。ソラは想像以上に真剣に聞いてくれていた。
「っとままあこんな感じだ」
「まあ、ありえなくない話ではあるが。で、その嶺一を一回殺した犯人を特定しろ、と。特定したとしても警察に引き渡す際どうする。まさかさっきの話を警察に向ってするのか?それとも僕に押し付ける気か?信じてくれるのは僕だけだぞ」
「ああ」
最初からそのつもりだったのだ。嘘をつく必要はない。
「ただし、俺が好きな人に告白する前に捕まえてみろ。そうしたら警察への何やかんやは自分で説明する」
「…その、告白とやらはどのくらいかかるんだ」
「わからない。でも、俺の勇気が先に来るか、ソラが先に犯人を捕まえるかのどっちかだ。勿論、告白を手助けするのもありとする。が、犯人特定までは絶対ソラにしてもらうからな。依頼料はこれくらいでどうだ」
「賭けなのにそんなにかけて大丈夫なのか?」
とソラががからかってきた。
「勿論」
とわざとらしく俺は答えた。これで契約成立だ。
これから、犯人特定と告白の二つのことを同時に始めるという大規模な未練解消が始まった。
一、俺の未練は
…零歳からやり直すのは面倒だと思っていたが、そこまでではなかった親孝行をしていること以外は前世と一緒だろう。親孝行をしながら俺は瞬く間に中学一年生まで戻ってきた。意外といいもんだな。転生も。未練の心当たりは、パッと思いついたもので三個。しかし、瑞樹様は「たくさんありすぎてわからない」的なことを言っていた。まあ、気にしないでおこう。後から考えれば良いのだから。それより、俺がパッと思いついた三個だ。
一つ目は「親孝行」だと思った。なぜかって?簡単さ。超ド級親不孝人だったからだ。自分で認めてしまうほどにな。それは今までやってきたのだからクリアになるだろう。
二つ目だ。難関は。恐らく「好きな人に告白すること」だと思った。好きな人がいて、卒業式で告白しようとしていたのに卒業式の前日に殺されてしまったのだ。クソ。
三つ目。これも恐らく難関だ。「俺を殺した犯人を捕まえること」ではないだろうか。難易度も高い上に、何個あるのかわからないと言われてしまっている。とりあえず、告白から始めようかな。あと、探偵も探さなければ。なぜ探偵かだって?警察が俺の話を信じる訳がないからに決まっているだろう。探偵でも信じてくれるかわからないがな。
だが、今は三つしか思いついていない。あと沢山も考えなければ。沢山あると言っていたからな。
二、探偵との出会い
「なんでこういう、俺がいないと思っていた職業の人がいるかね〜」
「知らないよ。あと、探偵は実在するのにいないと思い込んでた君が悪いんじゃん」
「それは申し訳ない」
「で?用件は何?とっとと済ませて寝たいんだけど」
「寝る?」
「ああ。寝ても寝ても眠いからな」
「よくあるよなー」
こういう馬鹿げた話をしている相手こそが名探偵(自称)のソラ(ペンネーム)だった。俺は何故かうちの学校の不良どもにカツアゲされてて、俺は金持ってなかったからこの子が助けてくれたんだっけ。見た目的には中学生くらいか。年下だな。
「おい、お前…」
「ちょっと待て、お前ではなくソラと呼べ。せっかく名乗った意味がないではないか」
「ペンネームだが?」
「なんなら様付けしてくれてもいいんだぞ。僕は君を救ったからな」
「わかりました!ソラと呼ぶわ〜。それより俺にも嶺一っていう母さんにつけてもらった大切な名前があるんですけど!」
「…わーったよ。嶺一、話を戻そう」
「ああ、今俺もそう思ってたとこだ」
「用件はなんだ」
なんでソラが偉そうなんだよ!とツッコミたくなったがやめた。依頼する側だからな。
「かくかくしかじか、色々ありまして」
そうして俺は、死んだ前日のことや、死んだ日のこと、天国のことや、未練のこと、転生のことを話した。ソラは想像以上に真剣に聞いてくれていた。
「っとままあこんな感じだ」
「まあ、ありえなくない話ではあるが。で、その嶺一を一回殺した犯人を特定しろ、と。特定したとしても警察に引き渡す際どうする。まさかさっきの話を警察に向ってするのか?それとも僕に押し付ける気か?信じてくれるのは僕だけだぞ」
「ああ」
最初からそのつもりだったのだ。嘘をつく必要はない。
「ただし、俺が好きな人に告白する前に捕まえてみろ。そうしたら警察への何やかんやは自分で説明する」
「…その、告白とやらはどのくらいかかるんだ」
「わからない。でも、俺の勇気が先に来るか、ソラが先に犯人を捕まえるかのどっちかだ。勿論、告白を手助けするのもありとする。が、犯人特定までは絶対ソラにしてもらうからな。依頼料はこれくらいでどうだ」
「賭けなのにそんなにかけて大丈夫なのか?」
とソラががからかってきた。
「勿論」
とわざとらしく俺は答えた。これで契約成立だ。
これから、犯人特定と告白の二つのことを同時に始めるという大規模な未練解消が始まった。


