思わず反応してしまった。
隠さないといけないのに。
夜神くんはそれを見て、ニヤリと笑った。
「やっぱお前だったんだ。」
「ち、違う!」
否定したけどもう遅かった。
「否定しても意味ねーぞ。スマホには動画もあって、しっかり顔も映ってるから。」
どうしよう…、絶対絶命だ…。
…落ち着いて…。
こういう時は冷静に…。
「それをどうする気なの?」
いつものおっとりとしたところがなくなって、声が低くなる。
「俺の言う事をきいてもらう。じゃないと写真付きでバラす」
写真付きだと多分全員信じる。
ここは素直に従ったほうがいい…?
「私に何をさせる気?」
「んー、それは言えねぇ。…でも、俺に従っといたほうがいい。俺に絡んでくるやつは噂好きが多いからな。」
…は〜、しょうがない。
「わかった。」
「よしっ!」
「絶対にバラさないでね。」
「はいはい…。じゃあ、放課後迎えに行くから待っとけよ。またな、空羽。」
「えっ、ちょっとまって…!」
彼は呼び止めるのを無視して出ていった。
あの人、今なんて…。
ていうか、なんで名前知ってるの?
しかも下の名前で呼ばれたし…!
そんなことより、私に何をさせる気なんだろう?
何を考えても、夜神くんへの疑問が増えていくばかりだった。

