来てるんだ。珍しい。
「急にどうしたんだろう?」
「さぁ?」
そんなことを話しながら廊下を見ていたら、教室に夜神くんが入ってきた。
確か違うクラスだったと思うんだけど…
なんて思ってたら、こっちに歩いてきて私たちの前で止まった。
そして、こっちを向いた。
「おい、お前。ちょっと来い。」
お前って…
「…私?」
思わず自分を指差しながら言った。
「そ、お前。」
彼はそう言って、私の腕を掴んで引っ張って歩いていく。
「えっ、ちょっと、」
こあちゃんを助けを求めるように視線を向けると、こあちゃんは驚いて固まっている。
その間に、夜神くんは私を引っ張って歩いていく。
私は諦めてついて行った。
皆に見られているのがわかって、恥ずかしくて顔が赤くなる。
赤くなった顔を見られないように俯きながらついて行った。
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夜神くんに連れられて、気づいたら空き教室の前に来ていた。
これって、勝手に入っていいのかな?
夜神くんが扉を開けて入っていく。
私も慌てて入る。
教室には、いろんな物が置いてあった。
夜神くんは、壁に寄りかかってぼぅっとしていた。
にしても、綺麗な顔だなぁ。
切れ長の目に、シュッとした高い鼻。キュッと結ばれた薄い唇。どこから見ても整っていてホントに人間かと疑うぐらいかっこいい。
ただ壁に寄りかかっているだけなのにめちゃくちゃかっこよくて、思わず見惚れていた。
…って、そうじゃなくて!
「ねぇ、なんで私をここに連れてきたの?」
ずっと気になっていたことを質問する。
夜神くんは、こちらをじっと見てからポケットから一枚の写真を取り出した。
その写真をズイッっと突き出して見せてくる。
「なぁ、これ、見覚えあるだろ?」
そこには、3人の不良をなぎ倒している私が写っていた。
「っ…!それって…!」

