「僕が強かったら、親友を助けれたのに…。いじめなんて起きなかったのに……。」
そう呟いたとき、ふわっと何かに包まれた。
「え…?」
峰内…さん?
峰内さんは、何も言わず、ただ抱きしめてくれるだけだった。
でも、変に慰められるよりかは全然マシだ。
「気が済むまで泣いていいよ。悲しかったら我慢しないで。」
峰内さんの優しい声が耳元から聞こえる。
背中もポンポンと一定のリズムで叩いてくれる。
それが心地よくて、安心して……
僕はこらえきれずに、思いっきり泣いた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
しばらく泣き続けてやっと落ち着いてきた。
みっともないところ見せちゃったな。
少し反省する。
「もう大丈夫?」
腕を離して優しい顔で笑いかけてくれる峰内さんをみた瞬間、胸がドキッと跳ねる。
えっ、なんで…?
なんのドキッ…?
「だ、大丈夫だよ……。」
何でだろう。
峰内さんを直視できない…。
胸がドキドキと鳴っていてうるさい。
「ほんとに大丈夫?顔赤いけど、熱でもある?」
峰内さんが僕のおでこに触れる。
その瞬間、またドキッとする。
「ほんとに大丈夫だよ…!」
そう言って峰内さんから離れる。
「さ、さっきはみっともない所を見せてごめんね…。嫌だったよね…。」
胸のドキドキを誤魔化すように話を変える。
「あっ、全然嫌じゃないよ〜。それくらい辛かったんでしょう?だったら、今みたいに泣いてもいいよ。じゃないと心が壊れちゃう。」

