最強総長に能力買われました!

私は素早く背後に周り、二人をトンッ、と押す。

二人はバランスを崩し転ける。

その間に手刀を食らわす。

もうちょっと派手にやりたいけど我慢…!

他の子達も同じように倒していく。

そして、リーダー格の子ともう一人の強い子の二人になった。

私は警戒を強める。

今まで倒しているとはいえ、強かった。

さらに複数人で、うかつに手を出せないから苦戦した。

この二人には、それ以上に苦戦するはずだ。

リーダー格の子は、一度来たけど動きが早かった。

二人同時だと正直きつい。

どうしよう…。

そう考えている間に、攻撃を仕掛けてくる。

でもリーダー格の子じゃない、もう一人の子だ。

これなら行ける!

相手の手が素早く伸びてくる。

その手を掴んでねじ伏せる。

ワッと歓声が上がる。

いけたっ…!

リーダー格の子は……っていない!?

どこ…!?

あたりを見渡す。

その時、嫌な予感がした。

後ろを振り向くと、目の前にこぶしが迫ってきた。

両手が塞がっていてガードができない。


「「空羽ちゃん!」」


遠くから朝比奈先輩と水渡田先輩の声が聞こえる。

やられる…!

そう思った瞬間、周りが一気にスローモーションになった。

先輩たちはこっちに駆け寄ろうとしていて、夜神くんは椅子に座りながらこっちを睨んでいた。

私は驚くこともなく、リーダー格の子の背後へ回る。そして手刀を当てた。

その瞬間、周りが元に戻った。

リーダー格の子はバタリと倒れ、ねじ伏せた子はいつの間にか気絶していた。

…………やってしまった。