「おーい。大丈夫か〜?」
後ろでは、水渡田先輩が担いで椅子に座らせてる最中だった。
水渡田先輩には申し訳ないけど助けてくれなかった分の仕返しだと思うことにする。
「そろそろ二つ目いこ〜!」
水渡田先輩が男の子の状態を確認し終わったとき、朝比奈先輩が呼びかける。
…休憩無いのかな?
ちょっと疲れたんだけど。
「あっ、言い忘れてたけど、テストで体力も測ってるからね〜!」
朝比奈先輩がニッコニコで教えてくれる。
いや、遅いわ!
心のなかでツッコむ。
もうちょっと早く言ってほしかったな〜。
仕方がない、始めるか〜。
女の子たちはリーダー格の女の子を中心に集まっていた。
作戦会議?
その子たちは、作戦会議が終わったのか朝比奈先輩に合図を出している。
朝比奈先輩はコクリと頷く。
そして思いっきり息を吸う。
「よーい、はじめ!」
朝比奈先輩の大きな合図で、また空気がピリつく。
さぁ、どう動く?
女の子たちは慎重に私を囲う。
そこから動き出したのは、真後ろにいる二人だった。
二人は順番に捕まえてくる。
私は最小限の動きでかわす。
でも、いつの間に来たのか、一人が私の腕を捕まえる。
私は焦らず片方の手で手刀を食らわせ、気絶させる。
それを見た他の子たちは、視線を鋭くした。
この子達も本気だな〜。
楽しくなりそうだ。
今度は私から仕掛けてみる。
まだ近くにいる二人に近づく。
二人はチャンスだと思ったのか、掴みかかってくる。
それを待ってた…!

