最強総長に能力買われました!

女の子たちの中に、リーダー格の子がいる。

その子は長い綺麗な黒髪をポニーテールにしていて、きつくつり上がった目で私を睨んでいた。

もしかして怒ってる…?


「……はい、まだ許容範囲です。」


これは、許してくれたってことでいいよね…?

相変わらず私を睨んだままだけど。


「あ、ありがとう…。」


ちょっと怖いな。


「じゃあもう始めちゃおう!」


朝比奈先輩のその一言でみんなが動き出した。


「空羽ちゃん、ルールを説明するね〜。」

「はい、おねがいします!」


ワクワクしてくる。


「まずはあそこの男の子とたたかってもらうね〜。その時は相手の動きを封じたほうが勝ち。」

「はい。」

「次は女の子たちと戦ってもらうね。その時も全員の動きを封じたほうが勝ち。」


ルールは案外シンプルだ。


「ただし!絶対にケガだけはさせないこと!少しでもさせたら即不合格で〜す!」


朝比奈先輩が胸の前でバツを作りながら真剣な顔で教えてくれた。


「それ以外だったら何でもオッケーで〜す!」


なるほど。

じゃあ簡単だ。


「ありがとうございます!」

「どういたしまして〜!じゃあがんばってね!」


朝比奈先輩はそう言って端っこに移動した。

いつの間にか周りの机などが一箇所に集められてる。

私がルールを聞いている時にやってくれたのかな?

後でお礼言っとこう。


「全力で挑めよ。じゃないと負けるからな。」

「はい!」


最初に戦う男の子が八神くんから助言を受けている。

…そういうのって普通こっちにするもんじゃないの?

疑問に思ったが気にしないことにした。

大柄な男の子が腕まくりをしながら近づいてくる。

…はじまるんだ。

さっきからワクワクしてしょうがない。


「二人とも、準備はいい…?」


朝比奈先輩が緊張した面持ちで問いかける。