不良たちは何かを察し、後ずさって警戒している。

うん、早く済ませよう。


「そんなに警戒しなくて良いですよ。すぐ終わるんで。」


そう言った瞬間に間合いを詰める。

真ん中の不良を殴ると見せかけて、右隣の不良を蹴り倒す。驚いて固まった残りの不良を一人は殴り、もう一人は蹴り倒し、全滅させた。

その時間わずか10秒。

ふぅと息を吐く。

あんなに喧嘩売っといて弱いなんて…。もっと強くなってからしてほしいなぁ。

なんて呑気に考える。

とりあえず、この人たちを端っこによせなきゃ。邪魔になっちゃう。

よいしょ、と順番に端に座らせていく。


「これでいいかな?」


なんて独り言を言ってその場を去る。








その時は、誰かに全て見られてるなんて、すべてを撮られていたなんて、思っても見なかったんだ。