最強総長に能力買われました!

そんなふうに考えてたら、駅についた。


「ありがと〜」


夜神くんのほうを向いてお礼を言う。


「いや、別に。勝手に連れてってごめん。」


そっぽを向いて頭を掻いている。

照れてるのかな?

逆に謝ってくれた。


「別にいいよ〜。」


なんだか夜神くんが可愛く見えてきた。


「ふふっ」

「何笑ってんだよ。」


あ、不機嫌になっちゃった。


「いや、ちょっと可愛いな〜と思って。」


ちょっとからかってみた。

不機嫌になるかなと思ったけど、複雑そうな顔をしていた。

それから私の方に手を伸ばして…


「お前の方が可愛いだろ…。」


って言ってぽんぽんと頭をたたいた。


「…………へ?え?」


いま、可愛いって言った?

しかも頭ぽんぽんって…

今されたことを理解して、顔が赤くなる。

夜神くんはそんな私を見て楽しそうにしてる。


「ち、ちょっと!やめてよ〜!」


見られたくなくて、顔を必死で覆う。

夜神くんがハハッと笑う。

なんだか胸がドキドキして苦しい。

何で?

分からない。

でも、この感情は大切にすべき感情だっていうのはわかる。


「ふっ、ごめんな。」


夜神くん、絶対私で遊んでる。

ちょっと頬を膨らまして怒ってますアピール。

でも効果がないみたい。

また笑ってる。

もぅ!


「ごめんって。じゃあそろそろ俺も帰るな。」


そう言って夜神くんが背を向ける。


「明日、楽しみにしてるから。」