「さて、空羽ちゃんがNoxに入ったということで…!」
朝比奈先輩がテンションの高いまま話を切り出す。
なんだろう?
「恒例行事、実力テストをしてもらいま〜す!」
実力テスト?
なんの?
頭の上にハテナマークが浮かんだ私を見て、水渡田先輩が説明してくれる。
「この実力テストは、Noxに入ってすぐ行われる恒例行事なんだ。どんな相手でも戦えるか、勝てるかをみるテストだ。」
戦えるか、勝てるか…ってケンカ?
「実際に戦うんですか?」
「そうだね。でも、条件を付けて危なくないようにしてるよ。」
危なくないのならいい…のかな?
水渡田先輩は、納得した(?)私を見て説明を続ける。
「一対一と、一対複数の二パターンをしてもらう。一対一の場合は異性と戦って、複数の場合は同性と戦ってもらう。全員異性だと力の差が出すぎちゃうからね。」
なるほど。
よく考えてある。
「細かいことは追々話すよ。質問とか無い?」
「ありませ…、あ、いや、ありました。」
私にとって重要なことが。
「なにかな?」
「えっと、テストの時ってここに居ない、他の人たちがやるんですよね。」
「うん、そうだけど、どうしたの?」
「さっき朝比奈先輩が、私がケンカできるの知ってるのはここのメンバーだけって言ってたじゃないですか。」
「うん!言ったよ〜。」
朝比奈先輩が頷く。
「それで、他の人に顔とかバレたくないな〜っと思って。」
「あ〜、なるほどね。顔を隠してやりたいんだね?」
今の説明でわかってくれたみたいだ。

