チカチカ…と、街灯が点滅している。
腕時計をみると、9時半を指していた。

私、峰内空羽(みねうちそらは)は、塾が終わり、今帰っているところだ。

ここらへんの地域は不良や、暴走族が多い。

だから、足早に帰っているのだけれど……

正直襲われても大丈夫なんだよね〜。
まぁ、お母さんが心配するから急ぐけど。


私は幼い頃から親に空手と、柔道、護身術にパルクールを習わされた。
それがあって、大人相手でも圧倒できるくらいの強さはある。

あと、みんなには秘密の特殊能力を持っている。

それなのにお母さんってば、私がやられるかもって心配してる。



…別に大丈夫なのにな〜。



そんなことを考えながら足を進める。

そしたら、前に、3人組の不良たちがおしゃべりしながら歩いて来ていた。
すれ違う時、避けたんだけど…

ドンッ!

と、3人の内の1人にぶつかってしまった。


「…っ、ごめんなさい。」


咄嗟に謝る。
だけど…


「いって…、おい、何ぶつかってきてんだよ!」


「ごめんなさい…!」


あんまり関わりたくなくて、そっちがぶつかってきた、という言葉をグッと飲み込む。


「あ?ごめんなさいで済む事じゃねーんだよ!」


怒った不良が私の肩を掴む。

反射的に自分の肩を掴んでいる手を、パシッっと振りほどく。


「あん?」


…この場合はぱぱっと済ませちゃってもいい…よね?