「美香面白い」 「どこがだよ」 「全部?」 「いらねー!芸人目指してるわけじゃねえし!」 ほら、また。 敦志が笑うから、あたしも笑える。 楽しいと感じた瞬間から、時間が経つのは急激に早くなった。 「もう六時かよ!五時間も経った?」 「経ったから六時なんでしょ」 「冬だな…もう暗い」 「うん」 「寒くねえ?」 「大丈夫」 「送ってく」 「大丈夫」 「駄目」 キッパリ言われた。 「は?」 「心配だし。無理。無理矢理でも送ってく」 心配って。 そういう事、平気で言うなよ。