あたしは振り返って見せたくなかった顔を敦志に向けた。

泣きながら思いきり睨んでやった。

困惑している顔であたしを見る敦志。

「…何言って…」

「他の女が‘あたしだけ’みたいに言ってるのがやだ!あっちゃんなんて呼ばれてる敦志がやだ!勝手に怒ってる自分が嫌!!!」

意味不明。

きっとそう思ってる。

でも…



本心だから。



「…愛か」

…愛。

敦志の口から‘愛’って出るのも嫌。

「美香」

今は名前を呼ばれるのすら嫌。

「…聞いて」

優しさすら嫌。



あたしおかしくなっちゃった。