「琴羽~っ!もう出る時間よ~!」


そんな思い出に浸っていたら、ふと声がした。


「はあーい!」


階段を降りてお母さんのところに駆け寄る。


「ごめんっお母さん!準備はできたよっ!」


「そう、琴羽とはしばらくお別れかぁ、寂しいわね......」

そう、しゅんとするお母さんが可愛くてくすりと笑う。

「ふふっ、夏休みになったらちゃんと戻るから、大丈夫だよっ!」


私、日和 琴羽(ひより ことは)は今日から地元を離れて寮生活になるんだっ!