螺旋階段を上り切った場所に、帽子とマントの人物がいました。

ルゥはどろぼうの隠れ家にたどり着いたのです。


「やっと見つけた! 盗んだ物を、元の持ち主に返しなさい‼︎」


子どもでしょうか?

突然乗りこんできたルゥにおびえています。


ルゥは泥棒に近づこうとしました。

ですが、すぐに足が止まってしまいました。


目を真ん丸にして、足元を見回します。


「……一体どれだけの人から盗んだの?」


床がキラキラと光り輝いています。

まるで光る絨毯を敷き詰めたみたいに。


「……ごめんなさい」


しょんぼりしています。


「どうしてこんなことをしたの?」

「ひとりぼっちで淋しかったから」

「だからってダメでしょう?」

「キラキラした物に囲まれたら、淋しい気持ちが紛れると思ったの。ごめんなさい」


話を聞いていて、哀しくなりました。

それでも、やっぱり盗みはいけません。


「盗んだものは、持ち主に返すことでいい?」

「それは嫌!」

「大切なものを盗まれた町の人たちは、そのせいで淋しい思いをしているんだよ」

「……なってくれるなら」


よく聞こえません。


「もう1回言ってくれる?」

「返す代わりに、あなたが友だちになってくれるなら!」


水色の瞳で一生懸命にルゥをことを見つめます。