ルゥは、葉っぱや花を持って戻ってきました。

頭痛薬の材料を取りに行っていたのです。

再び薬を作り始めました。


薬ができあがった頃、入り口のドアについているベルがゆれました。

チリンチリンという小さくてかわいい音が、お店の中に響きます。

そのおかげで、ルゥはお客さんが来たことにすぐに気づけました。


「いらっしゃいませ」


笑顔と元気なあいさつで歓迎します。


お客さんは、パール町で大人気な料理店のおかみさんでした。


「今日はパーティーの予約が入っているっていうのに、朝から咳が出るんだ」


そういえば、おかみさんはマスクをしています。


残念です。

頭痛だったら、出来立ての薬があったのに。


けれど、ルゥに任せれば大丈夫です。


「すぐに咳止めの薬を作りますね」


そう言うと、ルゥはまたカウンターの奥のドアを通り抜けました。


その先は、温室になっています。

ルゥはここで薬の材料になる植物を育てているのです。


温室の中央には、ハンモックもかかっています。

ルゥは毎日ここで寝ます。


ですが、今は仕事中。

ルゥは、ハンモックには目もくれずに、下ばかりを見ています。


「咳止めの薬を作るには、ハート型の葉っぱが5枚必要なんだけど……」


ルゥと一緒に探してみてください。