‡SAKURA side‡
学校まで15分。
蓮と歩いていく。
蓮はあたしと違って頭がいい。
特に数学。
だから今の高校より
イイ学校行くんだと思ってたけど、違った。
『桜と同じとこ行くよ』
両親を失って、どん底にいたあたしを、蓮が拾い上げてくれた。
傍にいてくれる温かさ。
いつも与えてくれるのは
蓮だ。
「あ?」
蓮の横顔を見ていたあたしに気付いて蓮があたしを見た。
同じ顔。
間違いなく兄妹の証。
あたしはそれが嬉しい。
「今日ね、蓮に抱き締められる夢見たの」
「え!」
蓮が慌ててあたしを見た。
「いやらしい意味じゃなくてね」
「あ…、あぁ」
「温かい夢だよ」
蓮は、うん。と言って前を向いた。
なんか少し寂しげだった。
同じ顔だけど
蓮のこういうときの顔は
綺麗だと
あたしは思う。