あたしは耳を塞いで、しゃがみこんでいた。


なんで?


あの人、誰…?



さっき、あたしと体を重ねたのはなんで?


どういうこと?



とん…



背中に何かがあたった。



宇田川くんが開けた扉だった。



「桜ちゃん起きてたの?」

笑って、電気をつけた。


「今からさ、友達くるんだ。ごめんね。送るから…」

「今の人、誰?」
「えっ」
「…」
「…見てた?」

宇田川くんが笑った。

「なんだ。見たんだ。じゃぁ、桜ちゃんもする?3人で」


パンッ!!


あたしの右手が宇田川くんの頬を叩いた。



あたしは鞄を持ち、家から走って出ていった。






苦しい






助けて…







蓮…








苦しいよ













蓮の




温かい手が





ぬくもりが







助けてくれる