雨が降ったんだ…


風呂場の小さな窓から外を覗くとアスファルトを雨が叩きつけていた。


まぶたを閉じると本屋での光景が蘇る。


知らない顔の蓮。


なんだろう…


この小さな胸の痛みは。



「桜ちゃん、タオル置いとくね。オレ、コンビニ行って来る」

「え?なんで?」
「桜ちゃんの下着」
「あ////」
「すぐ戻るから待ってて」

男の子が女の子の下着…



帰ればよかったなぁ。



湯ぶねに浸かると知らないうちに冷えたからだが、少しずつ温まる。



しばらく温まっていると、ふと、とんでもないことに気が付いた。




え?まさかここ宇田川くんの家??しかもお風呂??
…知らないうちに、なんか状況が…


「桜ちゃん」
「はい!」

いつのまにか宇田川くんが戻っていて、扉の向こうから話し掛けてきた。


「ここに置いとくね」
「はい!」


なんか緊張…してきた。



どうしよう…