‡SAKURA side‡



あのあとからの記憶が曖昧なまま、気が付いたら知らない家にいた。



ここ、どこ?


広くない部屋には無駄なものが一つもなくて、ベッドと机と小さいテーブル、テレビ。


どこ?



しばらくすると宇田川くんが入ってきた。


「きゃ!」


宇田川くん…なんで…

「裸!」

完璧に全裸ではなかった。スウェットを履いただけだった。

「え…、あ、ごめん」

謝ったが、隠す気はないらしくそのまま、あたしの横に座った。


「桜ちゃんもシャワー使いな。体冷えるよ」
「えっ!」
「急に雨なんか振るなんて、ツイてなかったね」

宇田川くんの言葉で制服がびしょ濡れなのに気付いた。

「こんな格好でごめんなさい!…ベッドが…」


ベッドはあたしの座っていた所だけ濡れている。


「大丈夫だよ。干せばいいんだし、気にすることないよ。それより、風呂入りな。制服乾かしておくから」


あたしは宇田川くんに促されるまま、お風呂場に入った。