「…運命だと思ったの」



相田はまっすぐ俺を見て言った。


運命?



運命があるなら、


俺の置かれている立場は



最悪なものだ。




愛した女に



キスも抱くことも




許されないなんて…




「あのさ、雨宮くん…」


相田が下を向いた。

どうした?



「私からすることじゃないと思うんだけど…」


なにを?


急に相田が頭を上げて顔が近づいた。




唇が触れた。





唇と唇がただ重なったもの。





唇を離した相田は俺の腰に両手を回し、抱きついてきた。



相田の頬が赤い。




「付き合えて嬉しい」


回した腕に力が入った。


「2年間諦めないでよかった。一緒に居れるなんて嬉しい」


相田は顔を上げた。




「私にメロメロ?」




キス一つで落ちるのか?




そんな簡単に気持ちは動くのか?