「蓮と、仲いいよね」


待ちに待った放課後。


初めて制服デートが実現した。


開口一番、宇田川くんが口にした言葉。


「うん。兄妹だからね」

帰りに買いたいものがあるからって、家とは逆の駅に行くことにした。


「端から見たら、仲良過ぎ」

「そう?」

「だって蓮の事好きだろ?」

「うん」


特別な理由なんかない。
蓮はあたしの双子のお兄ちゃん。

蓮はあたしの一部。
あたしは蓮の一部。
ただそれだけ。


「…なんか嫉妬」

「なんで?」

「ブラコン?」

「ちがうよ(笑)」

「蓮が桜ちゃんのこと女として見てたりとか」

「まさかぁ〜(笑)」


宇田川くん変な事、言うなぁ。


「実は、近親相姦だったりし―…」

「ちがうってば!!」


宇田川くんの言葉をさえぎってあたしは否定した。


自分でも驚く程の大きい声だったので口を押さえた。