まばゆい光が消えたとき、わたしたちは図書室の奥、図書館の扉の前に立っていた。
扉は、静かに閉ざされていた。もう、開くことはないのだろう。
「……終わったんだね。」
誰かがぽつりとつぶやいた。
でも、終わったようで、何かが始まった気がした。わたしたちはあの世界で学んだ。人の記憶、言葉、真実の重さ――そのすべてが、これからの生き方にきっとつながっていく。
「ねえ、ひかりちゃん。このまま黙ってていいのかな?」
紗良ちゃんが、心配そうにわたしの顔をのぞきこむ。
「図書館のこと?……うん、全部は話せないと思う。でも……伝えたい気持ちはあるよ。」
わたしは、自分の胸に手を当てた。どんなに不思議で、信じてもらえなくても、この体験を“物語”として残したい。誰かがこの本を読んで、少しでも心が動けば、それは図書館が生き続けている証になると思うから。
蒼くんがカバンから、ぼろぼろになった一冊のノートを取り出した。
「記録しておいた。“図書館”のすべてを。本の世界も、謎も、ステージの構造も。」
「まるで……報告書みたいだね?」
岳先輩が苦笑しながらページをのぞく。
「誰かに読ませるつもりなの?」
「さあな。でも、いつか誰かが真実にたどり着くときのヒントにはなるかもな。」
わたしはそっと、図書館の扉に手を当てた。ひんやりとしている。でも、そこからはもう何も感じられない。あの不思議な鼓動も、光も――もう、ない。
それでも、心の中には確かに残っている。
この扉の向こうにあった、たくさんの物語。
わたしたちが出会った人たち。勇気や、涙や、笑顔や、別れ――ぜんぶ。
そして、わたしは思う。
物語は閉じられても、終わらない。
ページを閉じたその先に、また新しいページが生まれる。
だから、わたしは書き続けたいと思った。語り続けたいと思った。
そして、こうして今――この物語を読んでくれている人に届けたい。
これは、わたしと仲間たちが出会った、幻の図書館の物語。
いつか、あなたもその扉に出会うかもしれない。
もしも出会ったら――迷わず、開いてみて。
そこには、まだ誰も知らない物語が待っているから。
扉は、静かに閉ざされていた。もう、開くことはないのだろう。
「……終わったんだね。」
誰かがぽつりとつぶやいた。
でも、終わったようで、何かが始まった気がした。わたしたちはあの世界で学んだ。人の記憶、言葉、真実の重さ――そのすべてが、これからの生き方にきっとつながっていく。
「ねえ、ひかりちゃん。このまま黙ってていいのかな?」
紗良ちゃんが、心配そうにわたしの顔をのぞきこむ。
「図書館のこと?……うん、全部は話せないと思う。でも……伝えたい気持ちはあるよ。」
わたしは、自分の胸に手を当てた。どんなに不思議で、信じてもらえなくても、この体験を“物語”として残したい。誰かがこの本を読んで、少しでも心が動けば、それは図書館が生き続けている証になると思うから。
蒼くんがカバンから、ぼろぼろになった一冊のノートを取り出した。
「記録しておいた。“図書館”のすべてを。本の世界も、謎も、ステージの構造も。」
「まるで……報告書みたいだね?」
岳先輩が苦笑しながらページをのぞく。
「誰かに読ませるつもりなの?」
「さあな。でも、いつか誰かが真実にたどり着くときのヒントにはなるかもな。」
わたしはそっと、図書館の扉に手を当てた。ひんやりとしている。でも、そこからはもう何も感じられない。あの不思議な鼓動も、光も――もう、ない。
それでも、心の中には確かに残っている。
この扉の向こうにあった、たくさんの物語。
わたしたちが出会った人たち。勇気や、涙や、笑顔や、別れ――ぜんぶ。
そして、わたしは思う。
物語は閉じられても、終わらない。
ページを閉じたその先に、また新しいページが生まれる。
だから、わたしは書き続けたいと思った。語り続けたいと思った。
そして、こうして今――この物語を読んでくれている人に届けたい。
これは、わたしと仲間たちが出会った、幻の図書館の物語。
いつか、あなたもその扉に出会うかもしれない。
もしも出会ったら――迷わず、開いてみて。
そこには、まだ誰も知らない物語が待っているから。
