まるで、時間が止まったみたいだった。
目の前に広がるのは、いつも見ている世界と同じ「図書館」。けれど、何かが決定的に違っていた。棚に並ぶ本たちは、どこか静かすぎて、まるで深く眠っているかのよう。ぼんやりとした青白い光が、天井から降っている。
「ひかり……ここ、いつもと違わないか?」
蒼くんが、見て回っていた足を止めた。彼の視線は鋭く、まるで空気の変化を感じとっているようだった。
「うん……そうだね。いつもより、静か……というか、重たい気がする。」
わたしはゆっくりと歩を進めながら答えた。紗良ちゃんと岳先輩も後ろからついてきている。
きっかけは、小さな記事だった。
「幻の図書室、旧市街で再び発見か?」――そんなタイトルのついた新聞の切り抜きが、この図書館にはあった。何気なく見たその紙には、この図書館とつながっていたあの学校の図書室とそっくりの写真が載っていた。
――もしかして、図書館が……まだ何かを語ろうとしている?
そう思ったわたしたちは、図書館を探索していた。そこで、すみに置かれていた、見覚えのある気がする一冊の本が、わたしたちを呼んでいた。
『幻影の記録:封じられた真実へ』と書かれたタイトル。
わたしがページを開いたその瞬間、まぶしい光に包まれて……わたしたちは、まだ図書館にいた。
「今回は、物語じゃないのかな……?」
紗良ちゃんが棚の前でつぶやいた。
「うん。たぶん、今度は図書館そのものの謎に、向き合うときなんだよ。」
そう言いながら、わたしは手元の本を見つめた。表紙には、かすれた金文字でこう書かれていた。
『幻影の始まりと、最後の鍵』
「これが……核心の本ってことかな。」
岳先輩がうなずきながら、そっとその本を手に取る。そして、重々しい手つきでページを開いた。
すると――。
辺りに、空気をさくような風が吹いた。
本のページが、勝手にぱらぱらとめくられていき、まるで命を宿したかのように光を放ち始めた。
「わっ、なにこれ!?」
「みんな、離れて!」
わたしが叫ぶより早く、わたしたちはまた、どこかへと引き込まれていった。
目の前に広がるのは、いつも見ている世界と同じ「図書館」。けれど、何かが決定的に違っていた。棚に並ぶ本たちは、どこか静かすぎて、まるで深く眠っているかのよう。ぼんやりとした青白い光が、天井から降っている。
「ひかり……ここ、いつもと違わないか?」
蒼くんが、見て回っていた足を止めた。彼の視線は鋭く、まるで空気の変化を感じとっているようだった。
「うん……そうだね。いつもより、静か……というか、重たい気がする。」
わたしはゆっくりと歩を進めながら答えた。紗良ちゃんと岳先輩も後ろからついてきている。
きっかけは、小さな記事だった。
「幻の図書室、旧市街で再び発見か?」――そんなタイトルのついた新聞の切り抜きが、この図書館にはあった。何気なく見たその紙には、この図書館とつながっていたあの学校の図書室とそっくりの写真が載っていた。
――もしかして、図書館が……まだ何かを語ろうとしている?
そう思ったわたしたちは、図書館を探索していた。そこで、すみに置かれていた、見覚えのある気がする一冊の本が、わたしたちを呼んでいた。
『幻影の記録:封じられた真実へ』と書かれたタイトル。
わたしがページを開いたその瞬間、まぶしい光に包まれて……わたしたちは、まだ図書館にいた。
「今回は、物語じゃないのかな……?」
紗良ちゃんが棚の前でつぶやいた。
「うん。たぶん、今度は図書館そのものの謎に、向き合うときなんだよ。」
そう言いながら、わたしは手元の本を見つめた。表紙には、かすれた金文字でこう書かれていた。
『幻影の始まりと、最後の鍵』
「これが……核心の本ってことかな。」
岳先輩がうなずきながら、そっとその本を手に取る。そして、重々しい手つきでページを開いた。
すると――。
辺りに、空気をさくような風が吹いた。
本のページが、勝手にぱらぱらとめくられていき、まるで命を宿したかのように光を放ち始めた。
「わっ、なにこれ!?」
「みんな、離れて!」
わたしが叫ぶより早く、わたしたちはまた、どこかへと引き込まれていった。