蛍火のような恋だった


「おい、お前いきなり開けたら危ないだろ」

中島くんはイライラしたような口調で、目の前の男の子に言う。

よく見れば、目元とか口元とかが、中島くんによく似ている。

中島くんを、もっと幼くした男の子。

多分、前に言っていた弟君だ。

「…悪い、驚かせて。これ弟の湊(みなと)」

湊君はぱちぱちと何度も瞬きをして私の顔を見ている。と、思ったら。

「うおぉぉ!兄ちゃんが、スッゲー美人な彼女連れて来た!んぐっ」

「黙れ」

無邪気な湊くんの声を、中島くんが抑える。

「岸田、そこにいたら濡れる。中入って」

「あ、うん!お邪魔します」

湊くんを引き摺りながら家に入っていく中島くんの後を追う。