「……あんたさ、まじノリ悪すぎ」
だれにも聞こえないように、私に言う。
前川さんの言葉には、何も返さなかった。
ただ、スカートの裾を握って、行き場のない気持ちをぶつけるしかできなかった。
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「ごめん蛍、ちょっとトイレ行きたいんだけど、これお願いしていい?」
「うん、いいよ」
移動授業に向かう途中、トイレに行った彩綾ちゃんの荷物を受け取り、私は廊下の壁に背を預けて彩綾ちゃんを待っていた。
と、廊下の掲示板に貼られているポスターが視界にはいった。
「……七夕祭り」
ポスターに大きく書かれた文字を、ぽつりと口にする。
"彼氏と夏祭りデート"
やりたいことリストに書いた文章を思い出す。
残りの時間を自由に、楽しむためにあのリストを作ったはずだった。
それなのに、作ったことが達成できないと、自分と他人の違いを勝手に感じて。
作ったものが達成できれば、どんどん欲張りになる自分がいる。
心残りなく死ぬために作ったものが、今は生きる希望になってしまっていた。
「あんな物、最初から作らなきゃよかったかな…」
結局、私は最初から生きる理由のために、リストを作っていたのかもしれない。

