蛍火のような恋だった


「え、なになに、凪くんたち海に行くの!?いいなあ、梨花も行きたい!」

今度は前川さんまで加わってきた。

さっきまで別の女子と話していたのに、こっちの会話もちゃんと聞いていたらしい。

「凪くんが行くなら、梨花も行きたいなあ」

前川さんが中島くんの腕に、手を回す。

そんな様子を、彩綾ちゃんと峯岸くんが少し呆れたような様子で見ていた。

「スクール水着じゃダサいから、せっかくだし、水着買いに行かない?」

彩綾ちゃんが提供する。


私は一度も海に行ったことがない。

本当は誘ってくれてすごく嬉しいけど、私は泳ぐことができない。

それに、水着を着るとなれば…

胸元の手術跡に、そっと手を置く。

こういう時に、みんなと同じように楽しむことができない。

そこでまた、自分と他人との違いがあらわになってしまう。