蛍火のような恋だった


その笑顔を見れることは嬉しいのに、なんだか苦しくもあって。

胸の奥が、ぎゅっと締め付けられる。

どうしてなんだろうーー。


どうして、中島くんの笑顔を見るたびに、時を共にするたびに、時間が進んでしまうことが怖くなるのだろう。

涙なんて、流さないって決めてた。

自分の残された時間を受け入れたはずだった。

死ぬことなんて、怖くないって思ってた。


……なのに。


今は、違う。

全てが、怖くてしかたない。

もし、神様に「あと一年あげる」って言われたら、
迷わずお願いしてしまいそうな自分がいる。

切なさと甘さが、濁流のように押し寄せてきて、どうしようもなく泣きたくなる。


ーーああ、そっか。…そうなんだ。

どうして今になって、こんなふうに気づいてしまったのだろう。

私、なんて馬鹿なんだろう…


これは“お願い”で、“代役”で、“役割”で……
本物じゃないって、そう思い込もうとしてたのに。



私――
中島くんのことが、
ほんとうに、好きなんだ。

もう、どうしようもないくらいに。