蛍火のような恋だった


「あま〜い!本当に、ほっぺた落ちちゃいそう」

甘いパンケーキを頬張る私の向かいでは、クールにコーヒーをのむ中島くん。

「中島くん、本当にそれだけでいいの?パンケーキ、美味しいよ?」

「…いや、いい」

静かな声で答える中島くん。

1人盛り上がっていた私は、持っていたナイフとフォークを置いた。

「…ごめん、私だけ馬鹿みたいにはしゃいじゃって。強引に連れてきちゃったし、嫌な思いさせちゃったよね。…今日はもう帰ろっか」

まだパンケーキは半分以上も残っている。

けど、中島くんをこれ以上困らせる方が嫌だから。

と、持っていたコーヒーカップを静かに置いたと思ったら、私が使っていたフォークに手を伸ばして……中島くんは、パクリとパンケーキを一口頬張った。

「………へ」

想像もしていなかった行動に、私は固まってしまう。

「……彼氏なら、こういうことするんだろ。…甘っ…」

視線を泳がせて、耳まで真っ赤に染めた中島くん。

慌ててコーヒーを飲んでいる。