蛍火のような恋だった


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中島くんを引っ張って連れてきたのは、ずっと前から気になっていたパンケーキのお店。

「ここ、放課後デートで来てみたいって思ってたの」

「…デートって。ていうか、学校帰りにこんなとこ寄ってんの見つかったらやばいだろ」

「お願い!今日だけだから!あ、もちろん協力してくれる中島くんの分は私が払うわ。一回でいいから、こういうところに彼氏と来るシチュエーション、やってみたいの!」

お願い!と顔の前で手を合わせる私に、中島くんは諦めたようにため息をついて、「見つかっても知らないから」と一応了承してくれた。

「2名様ですね。こちらへどうぞ」

店員さんに案内されて、席につく。

私は早速メニューを身始めた。

「中島くん遠慮しないでなんでも頼んでね。あ、私このパンケーキにする!」

テンションが上がりまくりの私とは裏腹に、中島くんはどこか居心地が悪そうにしている。

まあ、お店の中はすごく可愛い雰囲気だから男子にとってはちょっと来にくいかも…

結局、中島くんが頼んだのはコーヒーだけ。