蛍火のような恋だった



それが面白くて、思わず笑みがこぼれた。

「もちろん、本当の彼氏じゃない。彼氏役、っていった方がいいかな」

「…役?」

「そ。スケッチブック、勝手に見たでしょ?それを私が許す代わりに、私の彼氏役になってほしいの」

「いや、さっき怒ってないって…」

「あら、怒ってないとは言ったけど、許すとは言ってないでしょう?」

「いや、そんな急に…」

「もちろん、今日だけ。私、ずっとやってみたかったことがあるの」

ものすごくいきなりで強引な提案だと、自分でも思う。

「…岸田のしたいことって」

「それはこれから。じゃあ早速だけど、付き合ってもらおうかな」

「は!?ちょ、おい!」

私は中島くんと腕を掴んで、屋上を後にした。