私はそんなふたりに駆け寄った。 大した距離じゃないのに、心臓の鼓動がいつもの何倍にもなって、少し息が苦しい。 でも、今はそんなことを気にしている場合じゃない。 「ごめんなさい!どこもケガ、してないですか?」 深く息を吸って、私は尋ねた。 「だい…じょぶです」 さっきまであんなに調子よさげな声をあげていた裕也は、なぜか彫刻のように固まっている。 視線を凪に移したけど、すぐに逸らされてしまった。 どうしたんだろう…? 小さく首を傾げる私。