蛍火のような恋だった


すると中島くんが、少しだけ笑って言った。

「いいな。そういうの」

「え?」

「なんか雨の日って良い思い出にはあまり残らなそうだけど、岸田はどんなことでも楽しそうにしてるから」

中島くんの目が、優しげに細まる。

その仕草に、私の胸が苦しくなる。

……どうしてなんだろう。どうして中島くんと過ごすたびに、こんなふうに平常心じゃいられなくなるんだろう。

鼓動のひと刻みひと刻みが、大きく感じて…

心臓がこんな風になっているのは、私だけなのかな。

中島くんは、いつも通りなのかな…


中島くんも、私みたいに心臓が騒がしくなってるのかな。

なっててくれたらいいな……なんて、自分でもよくわからないけどそう思ってしまう。