蛍火のような恋だった


『蛍、お父さんがいいもの作ってあげるから』

そんな私をみたお父さんはティッシュペーパーを何枚か取り出して、てるてる坊主を作って、窓の近くに吊るした。

私はその時はじめて見たてるてる坊主が面白くて、お父さんとお母さんといくつもいくつも作って…

3人で作った何十個ものてるてる坊主を全部窓辺に飾った。

不恰好なてるてる坊主や、いろんな表情のてるてる坊主。

そんな他愛ない時間が、本当に楽しくて仕方なかった。


「何十個ものてるてる坊主を作ったんだけど結局雨は止まなくて。リビングにレジャーシートひいて、お弁当もそこで食べたの」

その時のことを思い返して、私は苦笑する。

「ピクニックには行きたかったけど、その日に雨が降っていたからそのおかげでまた違った楽しい思い出ができたし…それはそれで良かったなって」