蛍火のような恋だった


「雨で思い出したんだけど…昔ね、今日みたいな雨の日に、お父さんがたくさんのてるてる坊主を作ってくれたことがあるの」

「……てるてる坊主?」

中島くんは不思議そうに言葉を繰り返す。

「そう、てるてる坊主」


ーーあれはまだ、私が3歳くらいの頃。

ずっと入院していた私は体の調子がだいぶ良くなって、久しぶりの外出許可をもらった。

でも慣れない遠出は体に負担だからと、お父さんとお母さんとすぐ近くの公園でピクニックをする、本当に小さな外出をすることにした。

普段ずっと家に帰れない私はどんなに小さなお出かけでも、嬉しくて仕方なくて。


けど、ずっと楽しみにしていたその日はあいにくのどしゃ降りだった。

天気はその日によって変わるし、今なら仕方ないで済ませることだけど、その時の私はずっと幼くて、大号泣したのを覚えている。