蛍火のような恋だった


「いや、流石に…」

「もう、ごちゃごちゃ言わないで、早く帰ろう!」

「お、おいっ…」

なんだかバツが悪そうな中島くんの腕を引っ張りながら私は歩き出す。

しばらくすると、中島くんも諦めたのか腕を引かなくても自分で歩くようになった。

多分、今までで1番距離が近い。

お互い、特に会話をすることもなく、ただ雨の音だけが聞こえてくる。

雨、という話題に、私は小さい頃のことを思い出していた。

ずっと、小さい頃の記憶。