蛍火のような恋だった


私の答えに中島くんは眉を顰めて、意味を噛み砕いているようだった。

そんな彼に私はクスッと笑って、スケッチブックを閉じる。

「…今日はここまで。なんだかさっきより暗くなってきたし、雨降るかも。今日は帰ったほうが良さそう」

私の言葉に中島くんも小さく頷いた。



ふたりで昇降口に来た時には、予想通り雨がポツポツと降り始めていた。

靴を履いて、傘を取り出す私の隣で、空を見上げる中島くん。

「もっと降り出す前に早く帰ろう?」

中島くんの横顔に話しかけると、こちらを見た瞳と視線がぶつかる。