蛍火のような恋だった


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放課後、私は屋上に来ていた。

今日は朝から空は曇天で、屋上からの景色もどこか影をさして見える。

今日はなんだか気分が上がらない1日だった。

私はおもむろにスケッチブックを取り出して、描きかけの線を繋ぎ足していく。

と、ドアの軋む音がして、ぱっと振り向くと中島くんが立っていた。

「…中島くん。なんか、久しぶりだね。ここで会うの」

中島くんは何も言わず、壁に背を預けて座った。

「今日は曇ってるから、景色がいつもと全然違って見えるの」

私はひとりごとのように言葉を紡ぐ。

いつも同じ眺めでも、天気が違うだけでも違う景色のようで、それもひとつの楽しみでもある。

「…部活、入ることにしたのか?」