蛍火のような恋だった


「いいなあ、中島くん弟いるんだ。私はひとりっ子だから、兄弟がいてくれたらよかったのに…ってずっと思ってたの」

「…いたらいたで、うるさいと思うけど」

夕暮れの中を、ふたつの陰が肩を並べている。

中島くんはあまり口数の多い方じゃない。

教室にいる時は、男子とはそれなりに話している姿はあったけど、それでも女子とかとは必要最低限の会話しかしていないみたいだった。

「あ、そうだ。ね、初めて中島くんに会った時、土曜日だったのに学校のジャージ着てたでしょう?何か部活やってるの?」

「一応、サッカー部」

「サッカーかあ、すごいね。私スポーツは壊滅的にできないからなあ…ね、あれ出来るの?ボール落とさないで蹴るの…リフティング、だっけ」

「まあ、それなりに。部活の練習じゃ、毎回やるし」

「そうなんだ。なんか、かっこいいね」