蛍火のような恋だった



「…ここ、立ち入り禁止だけど」

そんな私を見ながら、君は静かに言う。

「あら、それはあなたも同じでしょう?中島 凪(なかしま なぎ)くん」

私は中島くんを振り返って、小さく首をかしげる。

「なんで俺の名前…」

「私昔から人の顔と名前覚えるの、得意なの。クラスの人の名前も全部覚えちゃった」

私は少し肩を上げて、クスッと笑う。

「それに、中島くんとは今日話せなかったでしょ?だから、話してみたくて」

中島くんは持っていたカバンの持ち手を、さらにぎゅっとつかむ。

「……君、この前の…。"また会えるかもしれない"って、今日のことだろ」