蛍火のような恋だった



「……!」

向こうも、まさか人がいるとは思ってもいなかったのだろう。

少し驚いて、息を飲んだような表情を浮かべた凪が立っていた。

安堵で、肩の力が抜けていく。

「びっくりした…。先生だと思っちゃった」

私は胸に手を置いて、「はあ」と息をつく。

「…びっくりしたって、それ俺のセリフなんだけど」

「それもそうだよね。ごめんなさい、びっくりさせて」

自然と笑顔が溢れる。

「ほら、学校って絶対どこかに屋上があるでしょう?だから私一回来てみたくて。そしたら扉が開くんだもの。ここ、すごく良い眺めだから、気に入っちゃった」

私は止めていた手を動かしながら言う。