蛍火のような恋だった


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時間は早送りをしたように、あっという間に過ぎて、気づいたら放課後を迎えていた。

あの後ーー朝の会が終わった後、私の周りには小さな人だかりができて、クラスメイトの人たちが自己紹介をしてくれたり、ちょっとした質問攻めにあったりで、少しだけ疲れちゃった…

私は人の顔と名前を覚えるのが得意だから、今日1日でクラスメイトの顔と名前を覚えた。

「この階段の上にあるかな…?」

ところで今私が何をしていたのかというと、学校の隅から隅を探検しながら、屋上への扉を探していたところ。

学校の屋上にずっと行ってみたいと思っていた。

扉は開いてないと思うから、扉のガラスから少しでも景色が見えればいいんだけど。

この学校は割と高台に建ってるから、屋上からなら町の風景が一望できるかもしれない。

人影を全く感じない校舎の、1番上の階に登ると、錆びついた重たそうな扉が目の前に現れた。