蛍火のような恋だった



けど、もう大丈夫。今なら言える。

今度こそ、息を吸い込んだ。

「岸田 蛍(きしだ ほたる)です。よろしくお願いします」

自己紹介を終えた私の胸は、どこか清々しい気分だった。

「岸田さん、ありがとう。じゃあ席は、あそこね」

「はい」

席は窓側の1番後ろ。

この教室からは校庭が一望できる。

そういえば、中学って屋上に行けるのかな…

放課後に、学校探検してみよう。

私はひとりうきうきしながら、セミの賑やかな鳴き声の響く外を眺めていた。