「蛍」
「……ん?」
目を開けた蛍が、小さく首を傾ける。
「左手、出して」
不思議そうにしながらも、すっと差し出された手。
その白く細い指に、俺は小さな輪を静かに滑らせた。
「…これで、どこに行っても蛍は俺の大切な人だって証」
「この指輪…」
蛍が顔を上げ、真っ直ぐに俺を見つめる。
「ペアリング。蛍に、つけて欲しいんだ」
「…もちろん」
受け取った指輪を両手で大事そうに包み、そっと俺の薬指に通してくれる。
「じゃあ、これで凪くんは私だけの凪くんだね」
星明かりを映した蛍の笑顔は、夜空よりも眩しくて。
思わずその頬をなぞるように撫でる。
「蛍、君に一生分の恋を誓うよ」
その言葉とともに、彼女の唇に静かな口づけを落とす。

