蛍火のような恋だった


この制服を着れることも、全部、私のわがままを聞いてもらえたから。

「友達、か……」

たった半年間の付き合いなんて、みんなすぐに忘れちゃうかな…

私、誰の中にも残れないのかな…

さっきまで楽しみだった学校が、一気に不安の波に押し流されそうになる。

鏡に映る自分の顔が沈んで見える。

しわになる前にちゃんとかけておかなきゃ。

また朝からアイロンがけをするなんてことになったら、お母さん怒るんだろうなあ…

ワイシャツのボタンを途中まで外して、私はその手を止めた。

鎖骨の少し下から見える、傷。

何度も何度も、切られた傷。